内視鏡下手術ってどんな手術?
内視鏡下手術とは内視鏡を用いた手術全般の事をいいます。
産婦人科において内視鏡下手術の中には、「腹腔鏡下手術(ふっくうきょうかしゅじゅつ)」、「子宮鏡下手術(しきゅうきょうかしゅじゅつ)」があります。
内視鏡を体のどの部分に入れるかで名称が変わります。
例えば、胸の部分における内視鏡下手術のことを「胸腔鏡下手術(きょうくうきょうかしゅじゅつ)」といい、関節などにおいては「関節鏡下手術(かんせつきょうかしゅじゅつ)」といいます。
次に、腹腔鏡下手術と子宮鏡下手術についてお話いたします。
■腹腔鏡下手術とは?
腹腔鏡下手術とは、腹腔鏡(内視鏡)という5ミリ程度のとても小さな手2~3つと5~10ミリの腹腔内を写すカメラの計3~4つを用いて行なう手術のことをいいます。
腹腔鏡とカメラの写真
写真では大きさが分かりにくいかもしれませんが、腹腔鏡のカメラの先端や両手の部分の大きさは5ミリ程度ととても小さいのです。
ですので、開腹手術と異なり、体に大きな傷を負わせず3~10ミリの穴を開けるだけで手術を行なえるので、体の負担がとても軽くなります。
多くの場合、術後数日(4日~6日程度)で退院することが出来ます。
・腫瘍が大きい場合や切除しなければならない場合はどうなる?
腹腔鏡には、両手の代わりになる鉗子(かんし)や、電気メス、持針器(じしんき:お腹の中で糸を結ぶ器械)などがあります。患部を切除しなければならない場合や、腫瘍を取り出す場合でも、そういった器具を用いて切除や腫瘍を小さくして取り出すことができます。
技術力のある医師の場合、おおよそ開腹手術で出来ることの全てができます。
ただ、複数の病気を併発してしまっている場合は、腹腔鏡下手術では対応できないことがあり、開腹手術に切り替えることもあります。
・腹腔鏡下手術のメリットは・・・
傷が5ミリ程度ととても小さいので、
術後の痛みが少ない
数日で退院できる
数日で社会復帰できる
傷跡が目立たないので水着を着る時も気にならない
術後の癒着が少ないため、将来の妊娠に影響を与えにくい
・デメリットは・・・
腹腔鏡下手術を行なう高い技術が必要である
病変が大きい場合は開腹する必要がある場合もある。
■子宮鏡下手術とは?
子宮鏡(内視鏡)を子宮の入り口から挿入し、腫瘍を切除し、取り除く手術です。
内視鏡を子宮の中に入れ、液体を還流しながらモニターに写し、電気メスで切除します。
腹腔鏡下手術と異なり、お腹に全く傷、穴を開けずに手術を行なうことができます。
ですので、以下のようなメリットがあります。
・子宮鏡下手術のメリット
お腹に全く穴を開けない、傷ができないので、
傷による術後の痛みがない
およそ1日で退院できる
数日で社会復帰できる
・子宮鏡下手術のデメリット
病変が大きい場合は複数回の手術を行なうことがある
子宮鏡下手術を行なう高い技術が必要である