子宮筋腫ってどんな病気?

子宮筋腫とは、子宮筋層(図を参照)にある平滑筋(ヘイカツキン)という筋肉にできた「こぶ」のような、良性の腫瘍(シュヨウ)のことをいいます。

良性の腫瘍のことを子宮筋腫といいますが、逆に悪性の腫瘍であった場合は肉腫(がん)と診断されます。ただし、子宮筋腫が癌になることは極めてまれ(1/800~1/1000)です。

 

子宮筋腫は女性ホルモンであるエストロゲンにより大きくなります。つまり、閉経前の女性であればどんどん大きくなることが多いが、閉経後は縮小します。

 

図1 子宮筋層にある平滑筋にできた子宮筋腫

 

 

■子宮筋腫の種類

 

筋腫はできる部位によって、以下の3つに分けられます。

 

1 粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)(図2 A)

子宮の筋層でも内側に筋腫ができると、子宮腔(図参照)に変形を起こしたり、茎ができてぶら下がったもの(図2 A-1)や、子宮口からとび出したもの(筋腫分娩)(図2 A-2)があります。

妊娠ができにくいことや流産を起こしたりします。

また、月経時に出血が多量になることから貧血になり、月経痛がひどくなるなどの症状が起こります。

 

2 筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)(図2 B)

筋層の中にできる筋腫で、もっとも発生しやすい筋腫です。

大きくなると、1の粘膜下筋腫と同様の症状が起こります。

 

3 漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)(図2 C)

子宮の一番外側を覆う漿膜(しょうまく)の下にできます。子宮の外側に突き出してくるため、大きくなっても自覚症状が起こりにくい筋腫です。

茎ができてその先にできるもの(図2 C-1)もあります。

 

図2 子宮筋腫の種類

 

■子宮筋腫の5つの症状

 

子宮筋腫はどんな症状をもたらすのでしょうか。

実は、症状やその程度は人さまざまなのです。

 

以下に代表的な症状とその内容をまとめました。

 

過多月経

生理用ナプキンやタンポンの交換が多く、レバー状の血の塊が混じる状態である。

また、生理の期間も長くなります。

 

貧血

過多月経による鉄欠乏性貧血が起こり、動悸、息切れ、めまい、疲れやすいなどの症状を伴います。

 

強い月経痛(月経困難症)

月経時にひどい下腹部痛、頭痛、発熱などが起こります。

粘膜下筋腫や筋層内筋腫の場合にみられることがあります。あまりに傷みが強い場合には、子宮内膜症(リンク)や子宮腺筋症を伴っていることがあります。

 

しこり

お腹が出てきて太ったと勘違いする人が多いですが、硬いしこりにさわれるのが特徴です。仰向けに寝てお腹をさわると分かりやすいです。

 

圧迫による頻尿・便秘・腰痛

筋腫が大きくなると「膀胱圧迫による頻尿」、「直腸圧迫による便秘」、「腰椎などの神経圧迫による腰痛や足のしびれ」が起こります。

 

 

■子宮筋腫に関係する話

 

子宮筋腫の検査方法とは?

子宮筋腫の治療方法とは?

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